印を彫りました。
印材(石材・木など)に篆書で文字を彫ることを
篆刻と言います。私が篆刻を初めて体験した
のは、高校の授業でした。
それ以来篆刻の楽しさに魅力を感じ篆刻家の
先生のもとで指導を頂いた時期もありました。
その昔は毎日書道展に篆刻も出品していました。
篆刻は「印」という小さな世界ではありますが、
「書」と同様にさまざまな表現の世界が可能で
あることを知りました。
「書」の作品は、紙に向かったら一瞬で完成を
見ることが出来ますが、篆刻は印泥(朱肉)を
つけて押してみるまでハッキリとは出来栄えが
判りません。
そのプロセスに大変時間がかかります。
まず構成を考え、印材に文字を書き込み、彫って行きます。
写真は生徒さんからの依頼で名前を彫ったものです。
文字が赤くなっているもので「朱文」と言います。
逆に文字が白くなるように彫ったものは「白文」と言います。
朱文は文字以外の部分を彫って行きます。
つまり、文字の線を残すように彫ります。完成を想像
しながら彫り進んで行く過程が、ワクワクし大変楽しい
ものです。
印は作品の雰囲気に合ったものを押すことが大切です。
「なんでも良いから、赤い印鑑が押してあれば良い」などと
考えているようでは、その人の作品のレベルは想像が
つきます。
女性が洋服に合うアクセサリーを選ぶように、なるべく
多くの印をもつようにし、自分の作品に合った印を押すよう
心掛けてください。
作品に合った印を選ぶ楽しみも書道の楽しみの一つと言えるでしょう。